映画「流浪の月」を原作大好き人間が観た感想

どうもO.Yです

 

先日「流浪の月」の映画を観に行きましたf:id:OY002:20220525192251j:image

感想はこの後語っていくのですが

 

僕は「流浪の月」の原作が大好きです

ここ数年で読んだ本の中でずば抜けて好きと思える作品です

 

そのためあくまで原作好きの奴の評価として書かせてもらいます

 

原作の感想はこちらで書いているので

できればこっちもお願いします

oy002.hatenablog.jp

 

それと普段このブログではアニメを中心に

それと関連したことを書いてきました

 

そんな奴がなんで邦画を語るんやと

思われるかもしれませんが

僕の好きなアニメの要素も

しっかり入っているので

ここで書かせてもらいます

 

しかし僕も普段アニメ観るか

小説読むかしかしていないので

映画の感想が下手でしたら、すいません

 

⚠️注意⚠️

・ネタバレをできるだけ最低限に押さえる努力はしていますしこの先を読んだあとでも面白く読めるようにしているつもりですが一切ネタバレされたくない人は読まないことを推奨します

・あくまで個人の意見です

 

基本情報

流浪の月



2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうのベストセラー小説を、「怒り」の李相日監督が広瀬すず松坂桃李の主演で映画化。ある日の夕方、雨の公園でびしょ濡れになっていた10歳の少女・家内更紗に、19歳の大学生・佐伯文が傘をさしかける。伯母に引き取られて暮らす更紗は家に帰りたがらず、文は彼女を自宅に連れて帰る。更紗はそのまま2カ月を文の部屋で過ごし、やがて文は更紗を誘拐した罪で逮捕される。“被害女児”とその“加害者”という烙印を背負って生きることとなった更紗と文は、事件から15年後に再会するが……。更紗の現在の恋人・中瀬亮を横浜流星、心の傷を抱える文に寄り添う看護師・谷あゆみを多部未華子が演じる。「パラサイト 半地下の家族」のホン・ギョンピョが撮影監督を担当。

 

感想① 文の完成度

まずこの作品が実写映画すると

聞いてまず気になったのは

文の配役でした

 

文は19歳の大学生設定ですが

他の人よりも成長が遅いという設定があります

年齢設定を意識した若くて肉食系なイケメンにやられるのも嫌だし

明らかに設定から年が離れているのも嫌だったので正直誰に決まっても

満足はできないだろうと思っていました

 

そして文役に決まったのは

松坂桃李さんでした

正直感想としては予想以上に

年が離れているなと感じました

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まあこの作品は19歳だけでなく

その5年後がメインで書かれるので

まあ、大丈夫かななんて思いながら

PVが公開されると

youtu.be

「あ、無理そう」

正直最初に思えた感想でした

特に「うちくる?」

のシーンでさすがに厳しいな

なんて思いながら本編を観に行くと

「すいませんでしたー」

思わず叫んでしまいそうになりました

「うちくる?」はともかく

次の家で更紗が起きるのを待っている

姿で確信しました

「あ、文だ」

そう自分が想像していた通りの

文の挙動、座り方、しゃべり方

体のがりがり感まで見ていて文だと思えました

 

やっぱり作品を観る前からキャストや

内容を批判するのは良くないですね

 

文以外のキャラも本当に良く演じられていると

思うのでキャスト面では

本当に完璧という感想です

 

感想② 原作の完成度

完璧な文に驚きながら

本編を観ていくとそこには

最高で原作通りの世界観が広がっていました

 

もちろん小説では更紗の感情が常に

前に出た状態で語られているにに対し

映画版では仕草や音楽などで表現しているので

原作を読んでいない人が

更紗の思いを理解できるのかというのは

少し不安です

 

まあ、この作品は原作の時点で好き嫌いが

分かれる作品ではあるのですが

映画になることで小説で書かれている

更紗の思いが見えずらくなっていることに

よってより更紗に感情移入できない

という人はいるかもしれません

 

何事も諦めて、戦わず、

勝手に自分で完結させる

そんな更紗や文が好きではない人は

きっといるのだと思います

でもそれはきっと誰も傷つけたくない

そういう考えが根本にあることを

わかってほしいです

そしてそんな彼らに惹かれたから

僕はこの作品が好きなのだと思います

 

まあ、原作を読んでいる身からしたら

なんの文句もありませんので

原作の完成度も個人的には満足です

 

感想③ 映画版にしかない変更点

昔女子高生の無駄使いの実写化の

ブログを書いたときから自分の中で

原作を観た後に観る実写化を

観るときに重きを置いている3つがあります

oy002.hatenablog.com

 

それは

・キャスト

・原作の完成度

・原作との違い

です

ん、2つ目と3つ目矛盾してね

と思った皆さんその通りです

 

原作の完成度を完璧に再現されてるのは

良いですし今の実写映画

これができている作品が

かなり少ないので上二つができている

時点で個人的には100点なんですが

やはり原作を読んだ人の感想は

原作通りだったで終わってしまうのです

 

では実写化したことによる

意味は普段原作を読まない人に

伝われば良いだけのものなのかと

言われればそれは違うような気がします

そのため、原作の内容やメッセージ性を

残しながらほどよく変更点があると

なお素晴らしい作品になるのです

 

これをあまりに増やしすげると

原作とは違くなりますし

逆に少なすぎても

原作通りになってしまいます

原作の内容やメッセージ性を

残しながらほどよく変更点がある

この映画はそれができている映画だと

個人的に思いました

 

まずは文と更紗が警察に捕まるのが

動物園から湖の橋の上に変わっています

これは文に対しての逃げ道をなくす

という意味があるような気がします

 

更紗が「逃げて」と叫ぶのに対して

原作でも文は逃げる気はなかったと思います

その覚悟を後ろが湖とすることで

文の逃げるという選択肢がないことを

表現しているのではないか今は考えています

これは良いのか悪いのかは判断しづらいですが

こういうのは映像化すると

わかるようなものな気がするので

個人的には良かったと思います

 

次は亮君の警察沙汰です

最初に更紗に言い寄るシーンでは

原作では警察により場を納めますが

映画では亮君自ら離れていきます

 

そして

原作では更紗が亮君に捕まれた手を

振り払うことで階段から落ちたところを

「彼女に落とされました」と言いますが

映画版では自ら自分の包丁で

腹部を刺し、付き添いをしようとした

更紗に対して「もういいよ」と言います

起きた事象は全く一緒ですが

原作と映画で亮君の印象は少し変わってくる

と思います

まあ、クズなことには変わりないですが

僕は映画版の亮君の改変は好みでした

もしかすると僕が気づかない原作との違い

によりルートが変わったのかもしれませんが

僕にはわかりませんでした

 

そして、なによりも僕がすごいと感じたのは

文と更紗が家で見ていた映画です

原作では更紗が父と母と昔見たエロス要素も

ある映画という設定だったはずですが

映画ではアニメに変更になっていたと思います

最初は更紗が好きなアニメにでも

したのかなくらいの思いでしたが

終盤にかかるにつれ疑問点になります

 

「これだけ原作に忠実なのに、どうしてそこを変えたんだろう?」

原作では文がエロス要素がある映画借りていた

として警察やマスコミに非難される描写が

あります

これにより自分が借りてほしいと

お願いしたのに文が避難されたと感じた

更紗が負い目を感じてしまうのです

 

これをカットしてまでどうしてアニメに

してしまったのか最初はそう思っていました

しかし、最後のエンディングロールで

僕はこれに意味があるのだと思いました

そのアニメが「パプリカ」だったのです

そしてほかに借りていたアニメも

今敏作品ばっかりです

 

「パプリカ」を知らない人のために

一応補足しておくと

かなり独特な世界観と考察要素が

多いラストに定評がある今敏が監督の

夢と現実を行き来する機械により

現実と夢がごっちゃになるという映画です

面白いので観てない人は観てみてください

 

これをパプリカにした意味も

大きくありそうで

文と更紗だけが知っている現実を

社会は勝手な印象で決めつけて

侵食してくることと重ねてるのかな

なんて考察を今も続けていて

他にももっと大きい意味が

あるのかもしれませんが

 

問題はもう一つあります

この映画の舞台設定が2007年ということです

原作を読んだのが少し前なので

ハッキリしたことは覚えていませんが

原作には具体的な

年数表記はなかったと思います

しかし映画版では序盤に

事件は2007年に起きたという会話があります

 

ここでわかった人がいるかもしれません

「パプリカ」の映画公開は2006年なんです

これにより

父と母と一緒にテレビで観たというのが

物凄く考えづらくなります

 

これは何か意味があるのだと思うと

思いつくのは

父と母と過ごした描写を完全になくす

という意思表示や

文と更紗が出会ってから

現実を飲み込む流れができた

 

なんてのが考えられますが

正直僕は考察があまり得意でないので

是非どんなものが隠れているのか

自分で考えてみてください

 

まとめ

ということで僕が大好きな小説

「流浪の月」は完璧な映画化だった

という話でした

 

僕の感想能力と考察能力が不足しているので

原作も映画も観ていない人は

物語の核心部分のネタバレはしていないと

思うので文と更紗が

どういう結末を迎えるのかを

是非映画本編か映画で観てほしいです

 

ということで長くなりましたが

ここまで読んでくれた方は

ありがとうございました

 

それでは